当社は、環境にやさしい「資源循環型生産」を推進してきました。自然に恵まれた信州に根ざす企業として、環境への負荷軽減は企業としての社会的責任でもあるため、生産規模の拡大に応じて排水処理設備も最適な方式を採用して処理能力も増強してきました。
排水処理設備は固定床式の担体嫌気処理設備を導入しています。担体を使用した固定床式嫌気処理設備により、安定して当社の排水に適した処理が行えるようになりました。また、導入当時は震災により国内の電力が不足していた時期でもあったことから、当設備から生成されたメタンガスを燃料として発電を行うバイオマス発電機も設置しています。
排水処理設備では、排水を処理する過程で微生物や処理された残渣が蓄積して汚泥となります。排水処理装置内で蓄積する汚泥は逐次増加するため、装置内の汚泥量を一定に維持するために余剰汚泥として定期的に回収する事が必要になります。このため余剰汚泥は適時ポンプで抜き取って脱水機で含まれている水分を減らします。脱水後の汚泥は、この状態のままでは、通常は産業廃棄物として処理する事になります。
当社の汚泥は食品製造時の排水から分離された汚泥の脱水物であり、有機物も多く含まれているので、この汚泥を有効活用する方法について研究と用途開発を行ってきました。現在、当社ではこの汚泥を乾燥する事により「菌体肥料」として商品化しています。
菌体肥料とは食品工場等から産出された汚泥を乾燥して作られた肥料で、植物の生育に必要な有機物も豊富に含まれているため、土壌の改良や維持、業務用肥料の原料として有効利用されています。