排水処理設備導入の歴史

1973年 MOラグーン排水処理設備完工(空気曝気)
1992年 高濃度排水処理設備完工(メタン発酵)
2003年 高効率排水処理設備完工(メタン発酵)
2006年 汚泥減量型排水処理設備完工(メタン発酵)

MOラグーン排水処理設備完工(空気曝気)

ラグーンと呼ばれる大型の排水処理用の貯水池を設け、自然界の浄化作用に近い表面曝気方式で排水を処理します。この方式は水面に設置された高速で回転するエアレータにより排水を攪拌して、排水中の微生物(赤菌)に空気中の酸素を常に送り込むことにより好気性処理を行います。処理された排水は一定時間静置した後に汚泥部分を沈殿させて上澄みとなった浄化された処理水のみをゲートから外部に排出します。

  • 現在、新処理設備への移行にともない撤去され、工場用地として利用されています。
MOラグーン排水処理設備

高濃度排水処理設備完工(メタン発酵)

当社の排水は濃度別に2系統に分けて処理しています。特に豆腐製造時の排水はSS(浮遊固形物)が多くBOD(生物化学的酸素要求量)も高い「高濃度系」の排水となり、装置全体への負荷を軽減するために前処理を行う必要があります。この方式は、密閉式の大型円筒型処理槽の中でメタン菌を担体※に固定して処理する固定床式の嫌気処理設備です。

この方式の特徴は排水を浄化する際にメタン菌が副生成物としてメタンガスを発生するので、これをガスホルダーに回収します。回収したメタンガスは工場に蒸気を供給するためのバイオガスボイラーの燃料として有効利用してきました。メタンガスはクリーンエネルギーなので化石燃料と比較すると環境に与える負荷も軽減することができます。

  • 「担体」とは、処理槽内で菌を固定するために粒状の穴が開いた樹脂やスポンジ製の素材のことです。
高濃度排水処理設備

高効率排水処理設備完工(メタン発酵)

生産量の増加と更なる増産に向けて、工場用地の確保も必要となったことから、ラグーン処理と併用しながら設備の専有面積が少なく、高効率処理が可能な流動床式(UASB※)の嫌気処理設備を導入して処理能力も増強しました。

  • 「UASB(Upflow Anaerobic Sludge Blanket)」とは、上向流式嫌気性汚泥床のことです。

この方式は排水をグラニュールという嫌気性の糸状メタン菌を高濃度に充填し、リアクター内で内部循環させて有機物を分解処理するタワー型排水処理設備です。当設備の導入と同時にメタンガスの発生量も増加したため、バイオガスボイラーも増設しました。

  • 現在、本設備は新設備に移行しました。
高効率排水処理設備

汚泥減量型排水処理設備完工(メタン発酵)

新工場の増設計画に伴い、建物の敷地を確保するためにラグーンに代わるコンパクトで効率の良い汚泥減量型排水処理設備を導入しました。この方式は排水を処理する際に大量に発生する余剰汚泥を減量する設備を兼ね備えています。ブロワーを備えた大型の曝気槽の他、担体を使用した好気処理も行なう効率の良い処理設備となっています。また、同時に排水中のスカムを効率よく回収するためのSS除去装置(加圧浮上設備)と回収したスカムをメタン発酵させてメタンガスを回収するメタン発酵装置を設置しました。ラグーン方式から当設備に切り替わったことにより、新工場の建設用地を確保することができました。

汚泥減量型排水処理設備
メタン発酵装置